コラム

5.遺産分割の期間制限(2023年4月1日施行)について(2024年2月)

昨年の法改正のうち、もっとも身近なものは、遺産分割に期間制限が設けられたことです。制限期間内に遺産分割を行わないと、原則的に法定相続分以外での相続財産の分配ができなくなります。
今月はこの遺産分割の期間制限について記載します。

  1. 2023年4月1日以降
    2023年4月1日以降は被相続人の死亡の日から10年経過した後にする遺産分割は、原則として法定相続分以外で相続できないことになりました。
  2. 2023年3月31日以前
    2023年3月31日以前に被相続人が死亡していた場合は、2028年3月31日までに遺産分割を行うという施行時(2023年4月1日)から5年間という猶予期間が設けられました。期間が経過すると、原則的に法定相続分以外での相続財産の分配はできなくなります。
  3. 相続登記の申請の義務化との関係(重要)
    先月のコラムに記載しましたように、今年4月1日から相続登記の申請が義務化されます。
    ①2024年4月1日以降に被相続人が死亡した場合、「自分が相続人であることを知った日」から3年以内、また②2024年3月31日以前に被相続人が死亡した場合、2027年3月31日までに相続登記の申請をしないと10万円以下の過料に処せられます。
    ここで、一つの問題が生じます。前述の昨年設けられた遺産分割の期間制限では、2023年4月1日以降相続が生じると10年間の期間制限、2023年3月31日以前に相続が生じると2028年3月31日までの5年間の期間制限があるにもかかわらず、相続登記の申請義務はそれよりも短い三年以内ということです。
    そこで、2024年4月1日以降、遺産分割協議が難航する場合は、先月のコラムで記載した新制度「相続人申告登記」だけはすぐに行い相続登記の申請義務の罰則が適用されるのを防ぎましょう。その上で、①2023年3月31日以前の相続では、2028年3月31日までに、②2023年4月1日以降の相続では、被相続人の死亡の日から10年以内に遺産分割を完了して下さい。